
1月4日に顎変形症手術(※上顎切・下顎切・オトガイ形成・顎関節洗浄)を受けてきました。
12日に無事退院したのですが、手術後のダメージが想像以上にしんどいです。
私は20歳の時に扁桃腺手術を受けたことがあるのですが、扁桃腺手術がそんなに辛いものではなかったので、顎変形症手術もそんなものだと思ってたんです。
手術後は痛み止めを打ってもらえるみたいだし、ICUに入って看護師さんが24時間付き添ってくれるというから、「術後ダルくなるくらいかな~?」なんて甘く見ていました。
実際は、自分の体が拷問器具になったかのような想像を絶した辛さでした。
顎変形症手術後……、本当に、本当に、こんなにつらいことがこの世にあるのかと思うほど苦しくてつらかったです。
呑気に構えていた分、術後目覚めた時、地獄に来てしまったのかと思うほどの沢山の苦しみが私を襲いました。
体が苦しすぎて、精神が壊れ「いっそ殺してくれ、楽になりたい」と思うほどでした。
退院した今も不自由で苦しいままなのですが、術後16時間が最大につらかったです。

今回の記事は日記形式になります。
重要ポイントのみをまとめた記事が読みたい方はこちらがおすすめです。
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顎変形症手術 体験談と術後の苦しみ・回復プロセスまとめ
2021年1月4日に顎変形症手術を受け、現在もその経験を振り返りながら日常を過ごしています。 このブログでは、手術の詳細や術後の苦しみ、そしてその後の回復プロセスをリアルに ...
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顎変形症手術後に私を襲った苦しみの数々について
顎変形症手術が終わってから様々な苦しみが私の体を襲いました。
痛いというよりも、ただただ苦しいのです。
狭い箱にいれられて窮屈で酸素が不足しているような状態です。
その中で風邪を引き、拷問に合っているような地獄でした。
- 喉が乾ききっている
- 水分を欲してるのに水分補給が出来ない
- たまった唾を飲み込めない
- 鼻呼吸が出来ない
- 口呼吸自体も痰が絡んでしにくい
- 口呼吸をすると余計に喉が渇く
- 血の塊のようなものが喉奥に詰まっている感じがある
- 7箇所も繋がれた管に対する違和感、気持ち悪さ
- 尿管のせいか尿意が常にあるような状態
- 声を出したくても出せない
- 全身の疲れ
- 意味もなく涙がぼろぼろ出てくる
- 頭の重さ、頭痛
- 寝返りを打ちたくても打てない
- 顎全体が炎症しているような痺れ
- 顎関節が痛む
- 熱さと寒気が交互に襲ってくる
- 楽しいことを考えられない
- 空腹状態
- 時間がたつにつれ腰痛がひどくなる
ざっとリストにするとこれだけの苦しみがありました。
この苦しみが同時併発するから、自分の体自体が拷問器具かと思うほどでした。
「この体から出して!!」
と魂が叫んでいました。
しかし、これらの苦しみは翌朝に鼻のチューブが抜けることでだいぶ緩和されました。
鼻のチューブが抜けても鼻呼吸は出来ませんが口呼吸がしやすくなり、動きやすく、気持ち悪さも落ち着きました。
その後、大動脈の点滴が抜け、歩行訓練によって尿管が抜ける、経口食を飲むなどによって、地獄ほどの苦しみではなくなっていきます。
管がすべて抜ける術後2日目の朝、ようやく自分の体が解放されたと一安心できました。
手術をしてよかったと思え始めたのは4日目あたりで、鼻呼吸が出来て口が自然と閉じるようになってからです。

ゴボ口じゃなければこんな苦しい手術を受けなくて済んだのに…と。
今は口が閉じやすく口角が自然とあがるうえに呼吸も術前よりしやすいので、あの時苦しくても乗り越えてよかったと思ってます。
顎変形症手術後16時間の中での流れ
凄まじい苦痛を味わった術後16時間の流れをレポートしていきます。
その中でも特に辛かったのは18時~19時の1時間です。
喉の乾きや炎症、管の違和感などは時間が経つにつれて慣れて楽になるので、これから手術を受ける予定の方は目覚めた瞬間辛くても気を強くもってくださいね。
(pm16:30)術後の目覚めた瞬間
目が冷めた瞬間、喉の乾きがひどく「水…」とか細い声を出したところ「水は明日の8時半まで飲めないよ」と言われて絶望しました。
目覚めた時は確か16時半頃だったので、16時間後にならないと水が飲めない状態でした。
鼻にはチューブが入っているため鼻呼吸は出来ず、乾いた喉に追い打ちをかけるように口呼吸することを余儀なくされました。
看護師さんが湿った綿棒をもってきてくれて、私はそれを受け取って、舌や口の中を湿らせました。
しかし喉の乾きはまったく改善されず、気休めにしかなりませんでした。
痛みは痛み止めのおかげでそこまでなかったのですが、顔全体が炎症を起こして鈍痛のような痺れが起きていました。
頭全体が重たくて、骨が今にも砕けそうな頭痛がしていました。
その後ICUに運ばれ、お医者さんやら看護師さんやらが挨拶に来てくれたのですが、声を発するのも苦しいので「はい…」程度しか返事できませんでした。
ぐったりしているのに、結構話すことを欲求されて疲れました…。
ベッド移動のときも体は動くからって自分で動かなきゃいけないし、飲み込めない唾や痰が口に溜まったら自分で水吸い器を使わなきゃいけないし、思ってたより自分でやらなきゃいけないことが多くてしんどかったです。
動くたびにクラクラしました。
体は沢山の管に繋がれていて、不自由さを感じます。
大動脈に点滴1箇所、通常の点滴2箇所、栄養補給の胃まで入った鼻チューブ、ドレーンという口の中から血を出す管2本、尿管の合計7本の管に繋がれていたのです。
尿管は初体験だったのですが、トイレに行きたい欲求が常にある状態で気持ちが悪かったです。
この管があるうちは苦しみが続くんだと、管が抜かれる時間まで眠りたいと願ったけれど、すぐに口内に溜まってしまう唾や痰を水吸い器で吸わなきゃならないので眠れる隙きがありませんでした。
(pm18:00)時計のカウントダウンを始めた
手術後のバタバタした雰囲気が落ち着いたのはpm18:00頃でした。
ICUで担当する看護師さんが挨拶に来て、そこから時の流れの遅さに苦しみ精神がおかしな方向へ行きやすくなりました。
ちなみに18時から24時まで担当する看護師さんが男性で、タメ口&なんか怖い人だったからそれも精神的にキツかったです。
「できるだけ自分でやってください」っていうスパルタ系看護師さんでした。
顎の鈍痛が酷くなったので痛いことを訴えると、「痛み止めは6時間に1回しか打てない、次打てるのは21時過ぎだ」と言われてしまいました。
参考
ちなみに、その後来た24時~8時担当の看護師さんの場合は「あとちょっとだから頑張りましょうね~」と優しく励ましてくれました。
18時~24時担当の看護師さんは突っぱねてくるというか「そんくらい我慢しろ」的な雰囲気だったので余計に絶望的な気分に陥りました。
こういう弱ってる時に優しい言葉ってすごい救いになるんだなと思ったので、私が誰かを看病する時はひたすら優しくしようと心に誓いました。
次の痛み止めが打てる21時まであと3時間…、はやく3時間経ってほしい。
そう思って目の前にあった時計の針を見つめるようになりました。
8時半に水が飲めるようになるから、8時半まではあと14時間半…、果てしない、でもきっと終わったら楽になれるはず…。
果てしなさを感じつつも、絶対にこの時間が過去になることに希望を持って時計を見つめ続けました。
術後すぐの慣れない苦しい体に耐えるきつい時間でした。
18時~19時になるまでの1時間はものすごく長く感じ、「まだ5分しか時計の針が進んでない」と時の進みの遅さに精神が参ります。
喉を潤わせたい、体を自由に動かしたい、自分でトイレがしたい…、当たり前の欲求が満たせていた数時間前に戻りたくて仕方ありませんでした。
(pm19:00)アンビリバボーで見た閉じ込め症候群の映像ばかり流れる
体の苦しみに耐えながら暇を持て余した私は、様々な思考を巡らせました。
ここで楽しい妄想ができればよかったのですが、時計の秒針を見つめながら思い出してしまったのはアンビリバボーでやっていた閉じ込め症候群に陥ってしまった男性の話でした。
体を動かすことも声を発することも出来ないのに、意識だけはあって痛みなどはしっかり感じられる状態で10年間も過ごしたマーティンさんのことばかり考えていました。
術後すぐの私はマーティンさんほどではないにせよ、体が不自由で痛みだけを感じている状態です。
眠りたくても眠れず、ただ苦痛に耐えて時が過ぎるのを待つことしかできませんでした。
「マーティンさんはこの状態を10年以上も続けてたなんて…気がおかしくなる」
と、健康な時よりもリアリティを感じて心底ゾッとしてしまいました。
もしもこの状態のままだったらどうしよう。
なんかしらの異常でこのまま苦しいままだったらどうしよう。
術後の苦しみを受けながら、閉じ込め症候群のことを考えるとますます気が滅入ってしまいました。
閉じ込め症候群以外にも様々な病気や障害で苦しんでいる人のことを考えていました。
楽しいことを考えようと思っても、すぐに苦しい現実に怖い想像を膨らませてしまいます。
私は今まで整形している人たちが「整形を頑張った」と言っていることに違和感を覚えていましたが、顔の骨を切る手術は術後が苦しいとお医者さんに聞いたので、術後の苦しみを耐え抜いたって意味だったのかと納得できました。
術後がこんなに苦しくて、健全な精神を保つのも困難になるとは思いませんでした。
「楽になれるなら殺されたい」とすら思いました。
精神だけでなく、痛みも襲ってきて、血を吐いたりしました。
熱も出たり冷めたりして体力的にも限界でした。
めまいが酷くて、クラクラして、このまま意識を手放せたらどんなに楽だろうと思うのに、眠れませんでした。
襲ってくる苦しみから眠りで逃れることは出来ず、ひたすら苦しみを受けて、本当に拷問に合っているかのようでした。
参考
ICUには必要最低限のもの(※私の場合ティッシュ、歯磨きセットのみ)しか持ち込めませんでした。
当然スマホ等は持ち込み不可で、娯楽として許されるものは病院で販売されているテレビカードを使ってテレビを見るくらいです。
節約のためにテレビカードを持ち込みませんでしたが、術後は体の苦しさから怖い妄想ばかりしてしまうため、テレビカードを持ち込める場合は持って行った方が精神的に楽になれると思います。
(pm0:00)優しい看護師さん登場で癒やされ、15分間隔で眠れるように
日付が変わると看護師さんが交代になり、優しい声音と口調の女性が来てくれました。
この看護師さんがすごい癒やしになって、この看護師さんになってから精神的なキツさがぐっと軽減されました。
何度か様子を見に来てくれるので安心して眠れる状態になったため、15分間隔ではあるものの寝れる時間が増えました。
痛み止めも2種類の薬を使って3時間毎に打ってもらえました。
看護師さんが変わるだけでこんなに違うのかと思いました。
忙しいのはわかるしワガママは言えないけど、やっぱり優しくて癒やし系の看護師さんが来てくれると一番嬉しいのが正直な気持ちです。
その看護師さんは「朝鼻のチューブが抜けたら楽になるから、頑張ってくださいね」と励ましてくれました。
だから0時~明け方にかけては「あとちょっとだから頑張ろう!」という気持ちになりました。
朝までの苦しみだから、乗り越えなきゃ!
そういう精神状態になるだけで、不思議と楽になったのです。
気の持ちようって大事なんだなと思いました。
それでもちょこちょこと怖い想像をしてしまいましたが、「私の体、頑張って!」と励まして乗り越えました。
また、最初の頃に比べて、喉の乾きや呼吸のしにくさは慣れていきました。
かわりに寝返りが打てないことによる腰痛が気になっていました。
顔以外のところは自由に動けたので、ちょっと足を立ててみたり腰を動かしたりして痛みを緩和させました。
(pm8:30)水を飲めたことによって無事に鼻のチューブが抜ける
15分寝ては、目覚めて15~30分の苦しみに耐えを繰り返し、ついに1夜が明けました。
6時頃に「8時にお医者さんが来れば鼻のチューブが抜けますよ」と看護師さんに言われ、早く苦しみから解放されたいと時計を見つめ待っていました。
足音がするたびにお医者さんかと思って期待に胸が膨らみました。
8:30になるとようやくお医者さんが来て、鼻のチューブが抜けるか判断するため、スポイトの水を飲むように言われました。
私はやっと水が飲めるという気持ちより、「そんなハードなことしなきゃいけないの?」と心が折れそうになりました。
あんなに喉の乾きを潤わせたかったのに、16時間も唾も痰も飲み込まずにいたから、ハードルが高く感じたのです。
実際にスポイトで口に入れられた一滴の水を飲み込むだけでも苦痛でした。
咽てしまったら鼻のチューブを抜いてもらえないと思って必死に飲み込みました。
たった一滴の水を飲むために100kgのダンベルを持ち上げるような苦痛です。
その後、さらに多い量を飲むようにと、3滴分くらいの水を入れられ、それも必死に飲み込みました。
苦しくて咽てしまいましたが、吐き出してはいなかったので、なんとか鼻のチューブを抜けることになりました。
鼻のチューブは胃まで入っていて、抜かれた瞬間ぐったりと体が脱力しました。
鼻のチューブが抜けても鼻は詰まっていて口呼吸しか出来ません。
呼吸自体は楽になりませんでしたが、張り詰めていた体の力が抜けて、30分程度だったけど、術後一番長く深く眠りにつくことができました。
鼻のチューブさえ抜ければ、あとは徐々に回復を感じ、前向きな気持ちを自然と持てるようになります。
やっと拷問器具から抜け出せることが出来た、そんな気持ちでした。
その後、別の明るい看護師さんが来て、手術着から病衣に着替えさせてくれました。
そして10時に病室へ戻ることとなり、ベッドに寝た状態のまま運ばれ、ICUを後にしました。
顎変形症手術を受ける前にやってほしい術後の苦しみを軽減するアドバイス!
顎変形症手術の術後が想像を絶するほど辛いものだと思わなかった私は備えが不足していました。
地獄の時間を送っているときに「術前になんでやっておかなかったんだろう」と後悔したことを紹介していきます。
術前の水分補給は必要以上にしておくべき!
まず、水をしっかり飲まなかったことを最大に悔やみました。
手術2時間前まで水分補給が出来るのですが、「最低でも300cc飲んでください、沢山飲む分にはOKです」と言われていたのですが、多分250ccくらいしか飲まなかった気がします。
しかも、術後3時間前に飲んでました。
手術が終わって目が冷めた瞬間「水!!!!」と思った私は脱水症状が出ていた気がします。
脱水症状を起こさないためにもかなり多めに水を飲んでおくべきです。
2時間前のギリギリで水を沢山飲んでおけば、私のように「喉が乾いてるのに潤わせられない、つらい、喉がつらい…口呼吸がつらい…」という絶望感が軽減できるはずです。
ICUにテレビカード持ち込みOKなら持っていくべき!
テレビカードの持ち込みをしなかったことも後悔しました。
ICUにはテレビカード持ち込みOKだったのですが、私はケチってテレビカードを買いませんでした。
ICUには必要最低限のものしか持ち込めず、当然スマホ等の持ち込みは禁止でした。
なので術後、娯楽がなくて暇になります。
暇なうえに体が苦しいので、暇を持て余した結果、怖い思考をひたすら巡らせてしまうことになりました。
実際に手術をした後は18時から時計のカウントダウンをはじめ、その間怖い想像ばかり膨らんでしまったので、賑やかなテレビを見て気を紛らわせたいと強く思いました。
幸い、隣のICUに運ばれた人がテレビを見ていたので、テレビの賑やかな音に少しだけ救われていました。
「いつもテレビは見ない、テレビに興味がない」そんな方でも、術後は精神が壊れかけるので、精神を保つためにもテレビという娯楽はあったほうが良いと思います。
消灯は9時半なのでそれ以降テレビを見ることは出来ませんが、少しでも気の紛れる時間があれば随分違うと思います。
術後はテレビを見る余裕もないような状態ではありますが、賑やかな画面と音声があるだけで気持ちが楽になると思うので、テレビカード持ち込みOKなら持ち込むべきです。

でも実際は眠れないし、ブログ記事のネタを考えられる余裕がないし、怖い妄想ばかりしちゃうから、暇なうえに苦痛すぎて最悪でした。
少しでも時の流れを早く感じて苦痛を乗り越えられるよう、テレビカードはケチらず持っていくことをおすすめします!
テレビカードを結果的に使わなくても、残高分を返金してもらえるので備えておいて損はありません。
体は頑張ってると励みにすると気持ちが楽に
術後すぐは本当に苦しくて、後悔とマイナス思考に襲われてばかりでした。
怖い想像も沢山膨らませてしまいました。
そういう考えを持っていると、余計に苦しくなるだけでした。
だけど「顎は頑張ってる、他の体も頑張ってる、私の体は頑張ってる!乗り越えよう!」と精神を強く保とうとすると苦しみがいくらかマシになりました。
気の持ちようは大事なので、術後つらくても、自分の体が頑張っているということに気づけば乗り越えやすくなります。
壮大な話になるけど、術後辛かった時に一番励みになったのは、頑張り続ける自分の体でした。
術後辛くても生命を維持しようとする自分の体が愛おしくて、いつもいつも自分を支えてくれる大事な体であることに気づいたら、こんなに心強い存在はいないと思えたんです。
もしも術後心細くなったら体に注目してみてください。
精神がどんなに弱音を吐いても、体は力強く生き続けようとしていることに励まされますよ。
術後の苦しみを乗り越えるためのアドバイスまとめ
- 術前の水分補給をしっかりしておくべき
- テレビカード持ち込みOKなら持っていくべき
- 気を強く持って体が頑張っていることを認める

お医者さんいわく、顔周りの骨を切る手術は術後が特に辛くなるそうです。
少しでも術後の苦しみを軽減できるよう、しっかり術前に備えて臨みましょう!
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